クライアント様のバスルームのリノベーションが完了しました in アメリカ

Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ

こんにちは。ハピネコ(@happyneconyc)です。

今回の記事では、私の自宅では無く、デザイン依頼をお受けしたバスルームのリノベーションをご紹介します。

今回ご依頼いただいたのは、私と同じニュージャージーにお住まいのご家族。欧州に在住経験がおありで、シンプルなモダンスタイルを好まれ、洗練された感覚をお持ちのご家族でした。

<素材や品名などのお問い合わせについて>

こちらのリノベーションはクライアント様からデザインフィーをいただいているプロジェクトになるため、このリノベーションで使われている素材や設備のブランド名・品名・カラー名などのお問い合わせにはご返答できませんので、ご了承ください。

アメリカでの小規模リノベーションの進め方

現在のところ私が経験した、アメリカでのバスルームやキッチンなどの小規模リノベーションの進め方は、下記のスタイルです。

家のオーナーがリノベーションを依頼

家のオーナーが、ジェネラル・コントラクター(工務店)*とデザイナーをそれぞれ雇い、リノベーションの依頼をする

※ デザイナーが在籍している工務店としていない工務店があります。デザイナーが在籍していない場合、オーナーがデザイナーを雇うか、オーナー自身でデザインをすることになります。

デザイン

デザイナーがオーナーから要望&問題点をヒアリングし、全ての素材・設備情報を含めたデザイン図を完成させる

家のオーナーが素材、設備などを購入

リノベーションが始まる前にジェネラル・コントラクターと相談しながら、オーナーが素材(タイルなど)、設備(バニティ、シャワーなど)を全て買い揃える

リノベーション開始
リノベーション終了

バスルーム:2〜3週間、キッチン:2〜3ヶ月 で完成

日本ではStep.3の項目はインテリアデザイン事務所や工務店がやるため、その分手数料が上乗せされてしまい、家のオーナー側で価格のコントロールがしにくいのが現状ですが、アメリカのこのやり方はオーナー側は素材や設備をブラックフライデーなどの安い時期や安いサイトで購入できるし、工務店側も素材の発注に労力を割かなくて良いので、非常にWin-Winな進め方であるな、と感じています。もちろん、ペンキや壁材などの資材は工務店が準備します。

アメリカは日本に比べてかなりのDIY大国なので、日本では代理店を通さないと買えないようなものでも、一般の方が手に入れやすい環境が整っていることが大きいと思います。

Before : リノベーション前

リノベーション前に現場へお伺いして、クライアント様から現状の問題、不満点、リノベーション後の大体のスタイルイメージなどをヒアリングします。

この時に、いずれ取り外したり壊してしまうとしても、バスルーム内部(現状のバニティや窓のサイズや高さ、バスタブのサイズなども)、外部(ドアやその他、関わりのあるところ)を全て計測し、ラフで手書きの図面を書いておきます。そうすることで、問題点や不満の裏付けができ、改善に繋げやすくなります。

Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ
Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ
Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ

床や壁のタイルのところどころにクラシックな要素が残っており、パッと見たときには可愛いと感じますが、タイルが凹んでしまっている箇所も多くありました。

バスルーム入り口に壁が両側から迫っていることも影響して、全体的に狭さを感じることがクライアントご家族にとっては「あまり入りたくない空間」という感覚になっていました。

デザイナーにとってはこういった「気持ち」に関わるキーワードはとても重要で、それを実際に自分で感じて確実に改善に繋げるためにも、現地に行って確認することが必須です。

デザイン提案

こちらは最終デザイン図の一部(簡易バージョン)になります。3Dの提案書だとクライアント様への金額負担が増えてしまうので、2Dでの提案図にしています。

最終デザイン図は、上面図・4つの立面図(壁4面分)と詳細な記載が必要な場合にはその図面などをつけた、6枚以上の図面になります。デザイン図にはサイズや使用する素材、ブランド名、商品名、色、品番が記載されます。

このデザイン図とは別に、素材や設備、商品のリンクを含めたリストを作り、クライアント様はそれをもとに購入します。

Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ
上面図
Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ
バスタブ側の立面図
Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ
ヴァニティ側の立面図

今回のスタイルキーワードは、<シンプル><モダン><ミニマル><クリーン>で、それらのキーワードと、狭さに対しての解決法を組み合わせています。

この最終デザイン図に辿り着くまでには、ムードボードでのスタイルディレクション、ラフデザイン図を数案、タイルのサンプルチェックなどのステップを経て、各ステップでクライアント様の意向をしっかりヒアリングしてデザインに反映していきます。

リノベ前バスルームの問題点と解決法

今回の問題点は「狭さ」にほぼ集約していたので、それに対していくつかの解決方法を組み合わせています。

狭さ 1→ クローゼットを無くし、壁を動かす

バスルームのドアの両サイドにはクローゼットがあり、そのためにバスルーム入り口に壁がそびえ立っていたので、そのクローゼットを取り壊し、さらに新たに作るバスルームの壁を12インチ手前に動かすことで、バスルームの内部を拡張させました。その分、収納が無くなってしまうので、ヴァニティには極力収納力があるものを選んでいます。

壁を動かして空間を広げるのはクライアント様の案で、お互いにアイデアを出し合って良い結果に繋がった、素晴らしい例です。

狭さ 2→ 内開きのドアを外開きに&ドアの幅を広げる

中に押して開くタイプのドアだったので、中のレイアウトに制限がありましたが、それを外開きにしてレイアウトの自由度を広げました。

さらに、通常よりも幅の狭いドア(24 inch)だったため、一般的なドアの幅(28 inch)に変更し、ドアの出入りにストレスを感じないようにしました。

狭さ 3→ クリアガラスの壁で狭さを感じさせずに空間を分ける

トイレに座った際にかなり窮屈に感じる、とのことだったので、トイレをバスタブ横に移動させ、バスタブとの境界に背の低い壁とクリアガラスの壁を設置することで用途の異なる空間に分けながらも、バスルーム全体が圧迫感の無いオープンな空間に感じられるようにしました。

シャワーカーテンではなく、クリアガラスのバスタブドアを選んだことも、バスルームをすっきりとミニマルに見せる方法のひとつです。

After : リノベーション後

Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ
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Bathroom renovation バスルーム リノベーション アメリカ
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狭い空間を広く見せるために、ホワイト〜ライトベージュ&ライトグレーを基本とし、アクセントにウォールナットの木目、サテンゴールドの金具類でまとめています。

まとめ

リノベーションが終了するまでには、間違ったタイルが届いたり、ハンドシャワーの設置を忘れられたりなどの、アメリカあるあるな事件もありましたが、最終的には解決されて美しいバスルームに仕上がりました。

クライアント様も毎日湯船に浸かってリラックスできているとのことで、嬉しい結果となりました。

また新たにリノベーションなどをしたら記事にしたいと思います。

ではでは。