こんにちは。ハピネコです。
7年ほど出ていなかったアトピー症状が昨年の春に突如として現れました。
鎖骨のあたりに赤いポツポツができたのから始まり、数日のうちにポツポツはかゆみと共に首全体と両腕に広がり、右の顔半分にも腫れと熱をもった赤みを帯びていました。
特に右耳は滲出液が出て痛いし、固まってひどい状態。ピアスはもちろん、メイクもとてもじゃないけどできませんでした。
なかなか痛々しい見た目でしたが、できるだけステロイドに頼りたくなかったので、健康オタクの知り合いに相談。そして勧められたのが、「エリミネーション・ダイエット」でした。
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エリミネーション・ダイエットとは
エリミネーション(elimination)とは、日本語で「除外」「排除」という意味で、ここでいうダイエットとは「食事法」「食習慣」を指しています。
簡単に言うと、5〜6週間、アレルギーや体の不調の原因になりそうな食事(アレルゲン)を全て排除し、その後徐々に戻す過程でアレルゲンを突き止め、その後はそれを避けた食生活を送ることで炎症や不調を軽減させる、というもの。
インターネット上で日本語で調べてみてもほとんど情報が出てこなかったので、日本では馴染みのない方法のようです。
ただやみくもにアトピー治療をするよりも、避けるべきものをしっかり見極めて将来に向けてしっかり直して行きたいと思い、エリミネーション・ダイエットを試してみることにしました。
下のサイト「Health Line」の記事(英語)を参考に進めました。英語が大丈夫な方はぜひ。
参考 How to Do an Elimination Diet and WhyHealth Line
エリミネーション・ダイエットについての記事は英語でたくさんありましたが、この記事がとてもわかりやすく、かつ ”Evidence Based” で、科学的な根拠に基づいてエキスパートによって書かれ、ファクト・チェックもされているので、安心できました。
すでに特定の食物アレルギーがある人や、アナフィラキシー・ショックの経験がある人は、お医者さんの監督のもとで行うように勧められています。
エリミネーション・ダイエットでわかること
先にも書いたように、エリミネーション・ダイエットを行うことで、何が体の不調やアレルギーの原因になっているかを突き止め、食生活から排除することができます。
エリミネーション・ダイエットには下の症状も含んだ多くの効果が期待できます。
今回の私の一番の目的です。
アトピー性皮膚炎にはたくさんの原因があり、人によってその原因は様々ですが、多くの人が特定の食べ物を食べた後に悪化してしまうことをエリミネーション・ダイエットによって発見できています。
偏頭痛の原因はいまだに解明されていませんが、体内の炎症が原因になっている可能性が高いそうです。
その炎症の原因になる食物を取り除いて軽減させる、ということですね。
実は私も日本にいた時はひどい偏頭痛に悩まされていました。大きな病院の頭痛外来に行きましたが、原因はわからず。アメリカでは200〜300万人が偏頭痛に悩まされています。
大腸に腫瘍や炎症などの病気がないことを前提とした、腹痛、便秘、下痢などの異常が数ヶ月続く症状。全世界で10%〜15%の人がこの病気と言われています。
ひとつの研究で、この症状のある150人が3ヶ月間、エリミネーション・ダイエットと、フェイク・エリミネーション・ダイエット(アレルゲンを含まない食事をする)をする2グループに別れて比較した結果、エリミネーション・ダイエットチームの症状が10%〜26%改善した、という結果が報告されています。
エリミネーション・ダイエットの進め方
エリミネーション・ダイエットは大きくわけて下の2つのフェーズに分けられています。
2〜3週間、エリミネーション・ダイエット中に食べてはいけないものリストの食べ物を食生活から取り除きます。
私は結果をしっかり分析するために、何を食べたのか、体調や肌の調子(パーツごと)がどうなのかを第2フェーズが終わるまで毎日記録しました。
この期間中に、体や肌の不調が食べ物が原因なのか、それとも他のものが原因となっているのかをある程度断定することができます。
例えば、もしエリミネーション中にも突然ひどいかゆみや湿疹が出た!などの場合は食べ物が原因では無い可能性があります。
エリミネーション・ダイエット中はあまり血糖値が上がらないためか、私は夜ベッドに入っても全然眠れない日が続いて辛かったです。睡眠ができないと肌細胞も作られずアトピーも改善しないので、メラトニンなどのサプリメントを飲んで無理にでも眠るなどの対策を取ればよかったな、と今は思います。
第1フェーズが終わったら、避けていた食べ物を少しずつ食生活に戻していきます。
下の食べてはいけないものリストにあるそれぞれのグループを1つずつ食べ始め、2〜3日かけて体に変化があるかどうかをチェックします。グループづつ行うことで、どの食品が不調の原因になっているのかを突き止めることができます。
例えば、昼に豚肉、夜に牛肉、翌日の夜に鶏肉を食べ、3日目は食べずに様子を見る。4日目になっても症状がでなければ、不調の原因は肉類ではない。そして次は甲殻類を試す。といった具合に進めていきます。
第1フェーズ、第2フェーズのトータルで、だいたい5週間から6週間が目安です。8週間以上など、あまり長くなると栄養不足になってしまうので要注意です。
エリミネーション・ダイエット中、食べてはいけないもの
悲しいことに、下のリストを見て「何を食べればいいの?!」と思いました・・・。でもキレイな肌を取り戻すためなら!
- 柑橘系フルーツ:みかんやグレープフルーツなどの柑橘系
- ナス科の野菜:トマト、ピーマン、ナス、じゃがいもなどのナス科の野菜
- ナッツやタネ類:くるみやピーナツなど全てのナッツやひまわりなどのタネ類
- マメ科植物:全ての豆類、大豆由来の食品も含む(納豆、みそなどの発酵食品はOK、豆腐は一応避けました)
- デンプン質食物:小麦、大麦、ライ麦、オーツやそれらを含むパン。グルテンを含む食品も避ける。
- 肉と魚:加工肉や牛肉、鶏肉、豚肉、卵、甲殻類
- 乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品
- 脂肪分:バター、マーガリン、トランス脂肪酸を含んだもの、マヨネーズ
- 飲み物:アルコール、コーヒー、紅茶、ソーダ、カフェインを含むもの
- スパイス類:スパイスやマスタードを含むソースや薬味
- 砂糖やお菓子類:白砂糖、ブラウン・シュガー、はちみつ、メープル・シロップ、コーン・シロップ、果糖ブドウ糖類を含むもの、チョコレート、これらを含むデザート
上記以外に体に不調をきたすような、怪しいと思われる食べ物があれば、それも同じように避けてください。
私は食品添加物が多く含まれる食品を食べた後に体が痒くなることが多いので、それらも避けました。例えばインスタント食品やスナック類、かまぼこやさつま揚げなどの練り製品など。日本の場合はコンビニのお弁当なども添加物が多く含まれています。
良いエリミネーション・ダイエットはかなり厳しいですが、期間中頑張ることで結果もしっかりついてきます!
エリミネーション・ダイエット期間中食べても大丈夫なもの
あまりに多くの避けるべきものがあるので、逆に食べていいものを知っていた方が、このダイエットはいいかもしれません。その方が精神的にもまだいいですね。
- フルーツ:柑橘系の果物を除いた、ほぼ全てのフルーツ
- 野菜:ナス科の野菜(トマト、ナス、ピーマン、じゃがいも)を除いた、ほぼ全ての野菜
- 穀物類:お米やそばの実(お蕎麦は食べていました)
- 肉や魚:ターキー、ラム肉、イノシシやシカ肉、サーモンなどの冷たい水の中を泳ぐ魚
- 乳製品の代わりになるもの:ココナッツ・ミルクやライス・ミルク
- オイル類:オリーブオイル、亜麻仁油、ココナッツ・オイル
- 飲み物:水やハーブ・ティー
- スパイスやその他:黒こしょう、フレッシュ・ハーブやアップル・サイダー・ヴィネガー
かなり厳しいですが、モチベーションを保つため、これをチャンスに魚とハーブを使ったレシピなどをレパートリーに加えてそれなりに楽しむことができました。
エリミネーション・ダイエットのリスク
エリミネーション・ダイエットは体調不良の原因になる食べ物を発見できる素晴らしい方法ですが、一方でいくつかの注意点やリスクがあります。
- 初めてトライする人は、短い期間でやること。例えば2フェーズのトータルで4週間から8週間の間。それ以上長くなると、栄養不足になる恐れがある
- 子どもやすでに特定の食物アレルギーがわかっている人はお医者さんの監督のもとに行うこと。特に子どもの場合、成長を阻害してしまう場合がある
- 子どもがエリミネーション・ダイエットを行う場合、食物をエリミネーションすることで体がさらに敏感になり、食物を再摂取する際にアナフィラキシー・ショックのように大人よりも激しい反応を起こす可能性がある
やる前にしっかりリスクを知っておいた方が安心できますね。
これらを踏まえて、私は第1フェーズを3週間、第2フェーズを3週間トライしました。
まとめ
アトピーが良くなったりひどくなったりを繰り返している人は、一度エリミネーション・ダイエットを試してみてもいいかもしれません。
悪化の原因が食べ物にある場合、今後それを食べるのを避けることで生活の質をあげることができると思います。かゆみがずっと続くのは本当に辛いですから。
アトピーだけではなく、偏頭痛や慢性的な体の不調の原因が食べ物なのかを知ることができるので、そういった悩みをお持ちの方にもオススメの食事法です。
実際の体験談や結果とその後をまとめた記事はこちらです。アトピーを改善したい!と思っている方はぜひ読んで見てください。